武王(ちょこんと座って)「お姉様……将軍って、どうすればみんなに“信頼される存在”になれるのかしら?」
呂尚(頷いて)「いい質問ね、姫発ちゃん♡ 将軍にとって“威厳”ってすごく大事なの。軍って、信頼と緊張感がなきゃ崩れるから」
武王(うるうる瞳で)「じゃあ、どうやって“威厳”を作ればよいのでしょう? みんなに“すごい”って思われたいですっ」
呂尚「ふふっ、じゃあ教えてあげる♡ まずね――“威厳”を作るには、上の人をしっかり罰して、下の人にはちゃんと褒美をあげること!」
武王「えっ、上の人を罰するの??」
呂尚「そうよ。たとえば、三軍に緊張が走るくらい、偉い人をひとり処罰するの。『あの人でも処処されるんだ……』って全軍が思えば、規律が引き締まるのよ」
武王「すごい……逆に、褒美は?」
呂尚「それはね、馬の世話してる子とか、あまり目立たない兵士にあげるの。そうすると、みんな“ちゃんと見てくれてるんだ”って思って、すごくやる気になるの♡」
武王(ぱぁっと明るく)「まあっ、それってすごく素敵なご褒美の仕方ですわね!」
呂尚「つまりね、“処罰は上まで届き”“賞は下まで届く”――これが『威信の本質』なの」
武王「なるほど……わたくし、すこしわかってきましたわっ」
呂尚(にっこりして)「姫発ちゃん、素直でえらい♡ 兵法ってね、こういう細やかな配慮がすっごく大事なの」
武王(ちょこんと座って)「お姉様……大事な戦いのとき、将軍ってどうやって選ばれるのですの?」
呂尚(うなずいて)「うん、大事な質問ね。戦のとき、王さまはまず正殿を避けて、別の場所で将軍を呼び出すの。真剣な雰囲気で“国の運命は、あなたにかかってます”って言うのよ」
武王(目をまるくして)「まぁ……重たいお役目ですわ……!」
呂尚「うん、それだけ将軍って存在が大きいの。命令を受けたら、太史が占いして、三日間斎戒して、それからお寺に行って──“吉日”を選んで、いよいよ斧と鉞(まさかり)を授けるの」
武王「儀式って、そんなにちゃんとやるんですのね……!」
呂尚「そう。王さまは“この武器を手にすることで、天の上から地の底まで、軍のことは全部任せます”って伝えるの。だから将軍は、その瞬間から命がけなの」
武王(小さく手を握って)「責任の重さ……感じますわ」
呂尚(真剣な眼差しで)「それだけじゃないの。兵は多ければいいってわけじゃないし、死ぬ気で戦えば勝てるわけでもない。仲間の意見をちゃんと聞くこと、士卒と苦楽を共にすること、そういうことが大事なのよ」
武王「……わたくし、みんなより先にごはん食べたり、涼しいとこにいたりしたら……駄目ですの?」
呂尚「当然ダメっ♡ 兵たちが座るまで、将軍は立ってるの。兵たちが食べるまで、将軍は待ってる。暑くても寒くても、同じ環境で過ごす。そうすれば、みんな本気でついてきてくれるの」
武王(うっとりした目で)「ああ……お姉様、本当にかっこいいですわ……!」
呂尚(少し照れて)「ふふっ、あたしを見習うといいわ♡ でもね、任命された将軍も言うの。“軍のことは、王さまが遠くから口出ししないで。任せてくれないなら、あたしは引き受けません”って」
武王「なるほど……お任せするからこそ、責任を果たすのですねっ!」
呂尚「そう。命がけだから、勝つまでは生きて帰らないって覚悟なのよ」
武王(小さく息をのんで)「わたくし……ちゃんとした“任せ方”ができる王様になりますわっ!」
呂尚(にっこり)「うん……君がそう言ってくれるなら、きっと大丈夫♡」
太史編(ぴょこんと登場)「今回は“立将”っていうお話だよ〜! つまり、“将軍ってどうやって任命されるの?”ってこと!」
姫発「あのっ、お姉さま……! わたくし、お国のために立ち上がる時、立派な将軍さまを選ばなくちゃって思うんですの。でも、どなたが本当に優れていらっしゃるのか、どうやって見抜けばよろしいのでしょう?」
呂尚「いいとこに気づいたじゃん♡ 武をもって天下を治めるなら、まずは“中身のある人材”をちゃんと見極めなきゃね。人は見かけじゃないって、ほんっと大事なんだから」
呂尚「外見と中身がズレてるタイプ、けっこういるんだよ? たとえば――」
姫発「まぁっ……まるで仮面舞踏会みたいでございますわ! こんなに見かけと中身が違う方がいらしたら、わたくし騙されてしまいそう……」
呂尚「うんうん、だからね、みんなが『こいつはダメ』って言う人こそ、聖人には光って見えるもんなのよ。見る目がなきゃ、ホントの英雄はわかんないってこと♡」
姫発「では……どうやって本物を見抜けばよろしいのでしょう?」
呂尚「ふふっ、お姫様ったら真剣♡ じゃあ特別に“将を見抜く八つの試練”、教えてあげるね!」
姫発「あ、あの……お姉さま、わたくし、ちょっとドキドキしてまいりましたの…… こんなにたくさんの試練を越えられる方、ほんとうにいらっしゃるのかしら?」
呂尚「見つけるのは大変だけど、だからこそ見つけたら大切にするのよ♡ この八つのチェックを全部クリアできた人――それが、ホンモノの“将”ってやつよ!」
八征皆備、則賢、不肖別矣。
姫発「八つの試練で、真の将とそうでない方とが分かれる…… わたくし、お姉さまのおかげで、すこし賢くなれた気がいたしますの!」
呂尚「うんうん、今日はよくがんばったじゃん♡ でもまだまだこれから。あたしの兵法レッスン、ちゃんとついてきなさいよね?」
武王「論将之道奈何――将たる者の道とは、いかなるものでしょうか?」
太公望「将には、五つの“美点”と、十の“過ち”があるわ」
武王「そのひとつひとつ、ぜひお教えくださいまし!」
太公望(静かに頷きつつ語る)「五つの美点とは――勇・智・仁・信・忠よ。」
太公望「けれど同時に、“十の過ち”を知ることも大切よ。」
武王「そ、それでは……そのような将を、敵に見つけたら?」
太公望(冷然と微笑んだ)「十の過ちを持つ者には、必ず付け入る隙があるわ。」
太公望「兵とは、国家の大事。存亡の岐路にして、命運は将に懸かっている。 将とは、国家の柱。かつての王たちがもっとも慎重に選び抜いた存在よ。」
武王「……やはり、将の選定は容易ならぬものなのですね」
呂尚「そうよ。だから――」
呂尚「よく見て、よく聞いて、よく感じなさい。 人の心を読むのが、“将を選ぶ”ってことなのよ♡」
武王「お姉さま……わたくし、がんばりますわ!」
太史編(元気に登場)「今回は“論将篇”! 良き将の資質と、ダメな将の落とし穴を教えてくれるよ〜!」
武王(姫発)は玉座のそばで、真剣な瞳を呂尚へ向けた。
姫発「お姉さま……。わたくし、王として軍を率いることになりますのよね? でも、ただ立っているだけではダメだと……思うのですの」
呂尚(腕を組んで、ふむ、と一つ頷いた)「王が軍を率いるなら、ただの旗印じゃダメっしょ。 まじでヤバいぐらい有能な仲間たちが、あんたの“翼”にならなきゃね」
姫発(目がきらきらと輝いた)「翼……! わたくしに、翼が生えたら……きっと、空だって飛べますの!」
呂尚「いや、実際には飛ばないけどね? でも、王を支える存在は、まじで翼みたいなもんだよ」
呂尚「まず、将軍が軍を率いるには──その運命を握ってるのは自分自身ってワケ。 でも、全部ひとりでこなそうとしたら、即死するっしょ?」
姫発(ぷるぷると首を振った)「即死は、いやですの……!」
呂尚「だからこそ、通達できるヤツ、変化に対応できるヤツ、マジで使える仲間が大事。 将軍には、七十二人の補佐役が必要って言われてんの」
姫発「な、七十二人も……!? そんなにお友だち、できるかしら……!」
呂尚「お友だちっていうか、戦友? それぞれが専門職で、王の翼になる感じかな」
呂尚「……ぜえ、ぜえ……ちょっと長すぎたけど、こーゆー仲間たちが王の翼になるのよ」
姫発(ほぉ〜っと目を丸くして、そっと呟いた)「これが……わたくしの、翼……」
呂尚「そゆこと。だからあんたが王として羽ばたくなら、そんだけ信頼できる人材をそろえなきゃダメっしょ?」
姫発「わたくし……頑張ってみせますわ。お姉さまのように、堂々と…… 翼をひろげて、空を翔ける王になりますの!」
呂尚「王の翼とは、ただの飾りではない。 己が空を飛べるようにと、仲間が命を懸けて支える、真の力である」
六韜「論将篇」〜才能は光る石、磨かねば見えぬ
「良き将とは何か?」 姫発さまの問いに、ギャル師匠が語り出すのは、将才の条件。 小さな背に刻まれる、未来の王のまなざしとは……!
太史編(ぱたぱた登場)「今回は“将威篇”だよ〜! 将軍が“どうやって信頼される存在になるか”を教えてくれるのっ!」
太史編「今回も兵法って“人の心”をよく見てるんだな〜って思ったでしょ? それが、太公望お姉さまのすごいとこなんだよっ♡」