武王(姫発)は玉座のそばで、真剣な瞳を呂尚へ向けた。
姫発「お姉さま……。わたくし、王として軍を率いることになりますのよね? でも、ただ立っているだけではダメだと……思うのですの」
呂尚(腕を組んで、ふむ、と一つ頷いた)「王が軍を率いるなら、ただの旗印じゃダメっしょ。 まじでヤバいぐらい有能な仲間たちが、あんたの“翼”にならなきゃね」
姫発(目がきらきらと輝いた)「翼……! わたくしに、翼が生えたら……きっと、空だって飛べますの!」
呂尚「いや、実際には飛ばないけどね? でも、王を支える存在は、まじで翼みたいなもんだよ」
呂尚「まず、将軍が軍を率いるには──その運命を握ってるのは自分自身ってワケ。 でも、全部ひとりでこなそうとしたら、即死するっしょ?」
姫発(ぷるぷると首を振った)「即死は、いやですの……!」
呂尚「だからこそ、通達できるヤツ、変化に対応できるヤツ、マジで使える仲間が大事。 将軍には、七十二人の補佐役が必要って言われてんの」
姫発「な、七十二人も……!? そんなにお友だち、できるかしら……!」
呂尚「お友だちっていうか、戦友? それぞれが専門職で、王の翼になる感じかな」
呂尚「……ぜえ、ぜえ……ちょっと長すぎたけど、こーゆー仲間たちが王の翼になるのよ」
姫発(ほぉ〜っと目を丸くして、そっと呟いた)「これが……わたくしの、翼……」
呂尚「そゆこと。だからあんたが王として羽ばたくなら、そんだけ信頼できる人材をそろえなきゃダメっしょ?」
姫発「わたくし……頑張ってみせますわ。お姉さまのように、堂々と…… 翼をひろげて、空を翔ける王になりますの!」
呂尚「王の翼とは、ただの飾りではない。 己が空を飛べるようにと、仲間が命を懸けて支える、真の力である」
六韜「論将篇」〜才能は光る石、磨かねば見えぬ
「良き将とは何か?」 姫発さまの問いに、ギャル師匠が語り出すのは、将才の条件。 小さな背に刻まれる、未来の王のまなざしとは……!