六韜「論将篇」〜才能は光る石、磨かねば見えぬ
六韜「論将篇」〜才能は光る石、磨かねば見えぬ
登場人物
- 姫発(武王):幼く無邪気なお姫さま。少し背伸びしたお嬢様口調で、呂尚を「お姉さま」と慕う。
- 呂尚(太公望):ツンデレ兵法ギャル。真剣な話になるとギャル語は控えめになるが、語尾やノリはギャル要素あり。
- 太史編:知識豊富なロリ風解説キャラ。兵法や将の資質をわかりやすく解説。
会話シーン
武王「論将之道奈何――将たる者の道とは、いかなるものでしょうか?」
太公望「将には、五つの“美点”と、十の“過ち”があるわ」
武王「そのひとつひとつ、ぜひお教えくださいまし!」
太公望(静かに頷きつつ語る)「五つの美点とは――勇・智・仁・信・忠よ。」
五つの美点
- 勇:敵はその威に怯えて近づけない。
- 智:混乱にあっても己を見失わない。
- 仁:民や兵はその徳に集う。
- 信:誰もがその言に従う。
- 忠:主君に二心を抱かぬ。
太公望「けれど同時に、“十の過ち”を知ることも大切よ。」
十の過ち
- 勇があっても、命を軽んずる者:無謀ね。
- 急いて、心が焦る者:長期戦に向かない。
- 利を欲しがる者:賄賂に弱い。
- 仁に厚く、情に流される者:判断を誤る。
- 智を持っても、心が臆する者:策を使いこなせない。
- 信を重んじすぎて、人をすぐ信じる者:騙されやすい。
- 清廉でも、情に乏しい者:人望を失う。
- 智に長けるも、判断が遅い者:時機を逸する。
- 剛毅でも独りよがりの者:孤立する。
- 弱くて他人に頼りすぎる者:操られる。
武王「そ、それでは……そのような将を、敵に見つけたら?」
太公望(冷然と微笑んだ)「十の過ちを持つ者には、必ず付け入る隙があるわ。」
十の過ちへの対応
- 命を惜しまぬ者:奇襲を。
- 心急く者:持久戦を。
- 利に目が眩む者:賄賂を。
- 情に弱き者:偽りの悲報を。
- 臆する智者:困窮を。
- 軽信の将:虚報を。
- 情なき清廉者:辱めを。
- 緩慢な者:迅速な一撃を。
- 独断の者:その意に沿う形で操ることを。
- 優柔不断な者:策を弄して翻弄することを。
太公望「兵とは、国家の大事。存亡の岐路にして、命運は将に懸かっている。 将とは、国家の柱。かつての王たちがもっとも慎重に選び抜いた存在よ。」
武王「……やはり、将の選定は容易ならぬものなのですね」
呂尚「そうよ。だから――」
呂尚「よく見て、よく聞いて、よく感じなさい。 人の心を読むのが、“将を選ぶ”ってことなのよ♡」
武王「お姉さま……わたくし、がんばりますわ!」
太史編のやさしい解説コラム
太史編(元気に登場)「今回は“論将篇”! 良き将の資質と、ダメな将の落とし穴を教えてくれるよ〜!」