武王(まっすぐな瞳で)「お姉様……兵法って、どう使えばいいのかしら? 兵道って、一体どんなもの?」
呂尚(やさしく微笑んで)「ふふっ、姫発ちゃん、偉いわね。じゃあ教えてあげる。兵の道ってね、いちばん大事なのは“統一された指揮”。これがなきゃ、軍はバラバラでダメになるのよ」
武王(うなずきながら)「指揮が“一”であれば、軍は自由に動けるのね?」
呂尚「そうよ。“一”に集中すれば、独立して動けるし、敵の裏もかける。黄帝さまも言ってたの。“一に従う者、ほとんど神に近づく”って」
武王「まあ……神のような軍になるのですねっ!」
呂尚「ただね、それを成功させるには──時機を掴むこと、勢いを使うこと、そして君主の決断が要になるの。兵法は、カッコいいだけじゃ勝てないのよ」
武王(小さく手を握って)「うんっ……わたくし、ちゃんと肝に銘じますわっ」
呂尚(真面目な表情で)「だからこそ、古の聖王は、兵を“凶器”と呼んで、やむを得ない時しか使わなかったの」
武王「……なのに、今の殷王は……」
呂尚「アイツはね、“今国がある”ってことに浮かれて、“いずれ滅ぶ”ことを全然考えてないの。遊んでばっかで、民の苦しみに目もくれない。ほんと、ありえないって感じ」
武王(きゅっと唇を結び)「でも、わたくしは違います。先に“源”を考えました。なら、もはや“流れ”は怖くありません!」
呂尚(にっこりして)「えらい子ね……本当に、王の器だわ」
武王「ところでお姉様……両軍がにらみ合って、どっちも動けないときって、どうすればよいのでしょう? わたくし、奇襲を仕掛けたいのに、うまくいきそうにありません……」
呂尚(キリッと指を立て)「そんなときこそ、演技力と知略の出番よ! 見た目は混乱してるけど実は整ってるとか、飢えてるフリして満腹とか、弱く見せて本当は強い──そうやって敵を油断させるの」
武王「なるほど……軍を集めたり、散らしたりして、敵を混乱させるのですねっ」
呂尚「そ。さらに要塞は高くして、強い部隊は伏せておく。そして…… “静かに、まるで音も立てずに”──そうすれば、敵には何も分からない。たとえば、敵を西に誘っておいて、実は東から攻める、とかね♡」
武王(ぱちぱち拍手して)「わぁっ、お姉様って、ほんとうにすごいですわっ!」
呂尚(ちょっと照れつつ)「ふふっ、まあ、あたしを誰だと思ってるのよ♡」
武王「でも……もし敵にわたくしたちの計画がバレちゃったら? どうすれば……」
呂尚(キリリと)「そしたらすぐに作戦を変えて、敵の弱点を突く! それが兵法の極意よ。敵が気づく前に、こっちが一枚上手を取る。それが“速さ”と“意外性”の勝利ってやつ」
武王(きらきらした目で)「お姉様……わたくし、もっと学びたいですっ! この兵道、ぜったいにものにして、民を守ってみせますわっ!」
呂尚(やさしく頭をなでて)「うん。あたしがついてるから、大丈夫よ、姫発ちゃん♡」
文王(優雅に扇をたたみながら)「ねえ、呂尚。賞というのは人を励ますために、罰というのは戒めのためにあると聞きますわ。私は──一人を賞して百人を励まし、一人を罰して万人を戒めたいと思うの。どうすれば、そんな統治ができるのでしょう?」
呂尚(髪を結い直しながら、キリッと前を向いて)「ふふん、それって、王たる者にとっては超・基本中の基本ってやつよ。賞には“信じられること”が大事、罰には“絶対やる感”が命なの。口だけで褒めてもダメだし、怒るフリして許すのもNGってワケ」
文王(瞳を輝かせながら)「まあ……それは、まるで“天の秩序”のようなお話ですわね」
呂尚「そ。ちゃんと賞を与えたところ、みんなが目にする。正しく罰したところ、それもまたみんなの耳に届く。そうすれば──たとえ直接見てなくても、陰ながらに“やる気”とか“自戒”が芽生えてくのよ」
文王「見せることが、広がっていくのですわね……」
呂尚(少し微笑んで)「だってね、誠ってさ、天に通じて、神にも届くんだよ? それが人に伝わらないワケないっしょ?」
文王(そっと目を伏せながら)「……誠とは、なんと美しく、そして力強いものでしょう」
呂尚(くいっと腰に手をあてて、ちょっとだけデレ)「だからさ、ちゃんと信じて賞して、ちゃんと筋通して罰する──それだけで、国はまとまるんだってば。あたしが言うんだから、間違いナシっ☆」
文王(くすっと笑い)「ええ、そなたの言葉……胸にしっかり刻みますわ」
太史編(星型のペンを持って)「今回はね、“賞罰”のお話だったの! ご褒美っていうのは、頑張った人に“ちゃんと伝わる形”であげなきゃダメなの。あと、おしおきは“ちゃんとやる”ってことが大事なの! ゆる〜くすると、みんな言うこと聞かなくなっちゃうんだよ」
だからね、“ほんとうに信じられる君主”って、そういうとこがブレない人なんだよ!
文王(悩ましげに)「ねえ、呂尚。あたくし、国を想って賢者を登用しようとしても、なぜかうまくいかないのです……それどころか、世の中ますます乱れて、危うくなるばかり。なぜかしら?」
呂尚(瞳を伏せて、静かに)「それ……名ばかりの“賢人”を持ち上げて、実際には何も任せてないからよ」
文王「まあ……任命してるのに、なぜ任せられていないのですの?」
呂尚(やや強い口調で)「それはね、“世間ウケ”で人を選んでるから。世俗が誉める人を賢者扱いして、本当の賢人を無視してる。つまり、見抜けてないのよ」
文王(眉をひそめて)「見抜けていない……」
呂尚「そう。“世間の評価”で選べば、声の大きい人が出世して、地味でも本物の賢人は追いやられる。そうやって派閥争いが生まれて、真っ当な人は排除されて、嘘つきが偉くなる──そんなの、国が乱れるに決まってるじゃない」
文王(息を呑み)「それでは、どうすれば“真の賢人”を挙げられるのでしょう……?」
呂尚(頷きながら)「役職ごとに“どんな人材が必要か”をちゃんと定義して、その基準で選ぶの。形式じゃなくて“中身”でね」
文王「まあ……では、それぞれの官にふさわしい徳と能力を、しっかり見極めるということなのね」
呂尚(優しく微笑んで)「そう。“名”に見合った“実”をちゃんと備えているか──それを見抜けるかどうかが、君主の目利き力ってワケ」
文王「ふふっ、まるで宝石を選ぶ目のように……」
呂尚(少し照れてそっぽを向きながら)「そゆことっ♡ 賢人ってのは、キラキラじゃなくても、芯があって輝くもんなの」
太史編(ぴょこんと登場)「今回のテーマは、“どうやってホンモノの賢人を見抜くか”だよ! 表面だけで選んじゃうと、すぐダメになっちゃうの!」
それができたら、賢人を挙げるのもバッチリ☆
文王(扇子を閉じて、慎ましやかに)「呂尚……天下を治める者にとって、大切なのは何かしら? 推し上げるべきは誰で、遠ざけるべきは誰? 採るべき道は? 禁ずべき振る舞いは?」
呂尚(瞳を伏せつつも鋭い声音で)「王者が重んずべきは、賢を上に、不肖を下にすること。誠実を採り、詐偽を捨て、暴乱を禁じ、奢侈を止む──これが基本の“き”よ」
文王「まあ……清らかな政道ね。では、それに害するものがあると?」
呂尚「そう。“六賊”と“七害”──これが国を乱し、君の徳を蝕む元凶。教えてあげるわ♡」
文王「……ぜひ、お願いいたしますわ」
呂尚(指折り数えながら)「まず“六賊”── ① 臣下が豪華な宮殿や庭園を建てて遊びほうける……王の徳が損なわれる。 ② 民が農桑に従わず、勝手気ままに振る舞い、官吏の教えにも従わない……教化が崩れる。 ③ 臣が朋党を組み、賢者を遠ざけて、君の目を曇らせる……政の中心が奪われる。 ④ 士人が高節を誇って勝手に諸侯と通じ、君を軽んずる……王の威が失われる。 ⑤ 位を軽んじ、職を卑しみ、難局で君を支えない者……功臣の労が踏みにじられる。 ⑥ 豪族が弱者を侵して暴れまわる……民の暮らしが潰れる。」
文王「まあ……それはまさに、国を中から蝕む“賊”たちですわね」
呂尚「でしょ? そして“七害”── ① 智略もないくせに賞や爵で釣って前線に出てくる奴、マジ勘弁。 ② 表裏が違って、善を隠して悪を吹聴、口八丁でのし上がるタイプ。 ③ 清貧ぶってるけど、実は下心満載な偽善者。 ④ 奇抜な格好で目立ちたがり、部屋で時政ディスって悦に入る評論家系。 ⑤ おべっかとゴマすりで地位を求めて、私利私欲のためなら命すら軽い奴。 ⑥ 芸術? 技巧? 華美な装飾に夢中で農業を滅ぼす連中。 ⑦ 妖術・迷信・不吉な話で民心惑わす、不気味なやつら。」
文王(ため息まじりに)「まあ……こんなに多くの“害”が潜んでいるなんて……」
呂尚「でね──国を任せる者にも、基準がある。 民が働かない? それ、民じゃない。 士が信を守らない? それ、士じゃない。 臣が諫めず黙ってる? 臣じゃない。 吏が公正でなく、民を大切にしない? 吏失格。 宰相が国を豊かにできず、軍を鍛えず、秩序も作れない?──論外っしょ」
文王(うなずきながら)「……賢を見抜き、奸を斥ける。それが“君”の器なのね」
呂尚「しかも、君主の姿勢ってのはさ── まるで龍の首。高くそびえて全体を見渡し、遠くまで見通す。 でもね、気持ちは見せない。怒るべきときに怒らなきゃ、奸臣がつけこむ。 罰すべき者を放置すれば、大悪が生まれる。 軍が動かなきゃ、敵がのし上がるのよ」
文王「……うふふ、今日は厳しいわね。でも、その真剣さ、好きよ」
呂尚(小さく笑って)「ま、国を守るってそういうことだから♡」
太史編(ぴょこんと現れて)「今回は“上賢(じょうけん)”のお話! 賢い人を重用して、悪い奴を遠ざけるのがテーマだよ〜!」
政治を内側から壊す存在だよ〜。
ヤバいやつらのカタログだよ!
リーダーは龍の頭のごとし──見せるべきは姿勢、でも内面は測れないほど深く! 威厳と寛容、罰と恩賞、そのバランスが大事なんだって!
次回も、ツンギャル呂尚といっしょに賢者の兵法、学ぼうね♡
文王(静かに問いかけて)「呂尚。どうすれば──この国を、末永く守っていけるのでしょう?」
呂尚(やや目を伏せながら)「その問い……重いけど、大事よね。じゃあまず、斎戒して心を清めて──ううん、それくらい本気で聞いてもらえるなら、話してあげる」
(文王は七日間の斎を行い、謹んで問いを重ねる)
呂尚「天には四つの季節がある。地には万物が生まれる。民がいる限り、聖なる君主がその秩序を導く──それが“自然の理”なの」
文王「……まあ、なんて美しい循環でしょう」
呂尚「春には万物が芽吹き、夏には成長し、秋には実り、冬には静かに眠る。そしてまた春が来る。それは終わりも始まりもない、永遠の輪廻──」
文王「その巡りに、私たちも身を委ねるべき……なのですね」
呂尚「そう。だから賢き君主は、その流れを読み、民とともに動くの。治世の時は控え、乱世の時は立ち上がる。それが、仁と聖の統治よ」
文王(小さく息を呑んで)「……では、民が乱れる“機”とは何ですの?」
呂尚「民がざわつき始めたら、それが“兆し”。その時こそ、聖人は陰で備えて、陽で動く。先に理を説き、天下がそれに和す──変を起こすときは、静かに、でも確実に」
文王「なんと……まるで天地の摂理を読むような政治なのですね」
呂尚「うん。でもね、ことが終わったら、功を争わない。位も奪わない。淡々と、秩序を守る。それが“守国”の真髄よ」
文王「……この道、歩めば天地とともに輝く……そんな気がしますわ」
呂尚(くすっと笑って)「そ。国を守るって、ただの防衛じゃないの。天地と足並みそろえて、民を導いてく──まさに“ガチで尊い”ってやつ♡」
太史編(ぴょこんと現れて)「今回は“守国(しゅこく)”ってテーマだったの! つまり国をどうやって長く守るかのお話なんだよ!」
つまりね、政治も自然も、ちゃんと“巡り”を意識するって大事♡ そうすると、国も民も安心できるんだよ〜
太史編(元気に登場)「今回は“兵道”! 要するに、軍隊を動かすときにいちばん大事なことを教えてくれるよ〜!」