文王(悩ましげに)「ねえ、呂尚。あたくし、国を想って賢者を登用しようとしても、なぜかうまくいかないのです……それどころか、世の中ますます乱れて、危うくなるばかり。なぜかしら?」
呂尚(瞳を伏せて、静かに)「それ……名ばかりの“賢人”を持ち上げて、実際には何も任せてないからよ」
文王「まあ……任命してるのに、なぜ任せられていないのですの?」
呂尚(やや強い口調で)「それはね、“世間ウケ”で人を選んでるから。世俗が誉める人を賢者扱いして、本当の賢人を無視してる。つまり、見抜けてないのよ」
文王(眉をひそめて)「見抜けていない……」
呂尚「そう。“世間の評価”で選べば、声の大きい人が出世して、地味でも本物の賢人は追いやられる。そうやって派閥争いが生まれて、真っ当な人は排除されて、嘘つきが偉くなる──そんなの、国が乱れるに決まってるじゃない」
文王(息を呑み)「それでは、どうすれば“真の賢人”を挙げられるのでしょう……?」
呂尚(頷きながら)「役職ごとに“どんな人材が必要か”をちゃんと定義して、その基準で選ぶの。形式じゃなくて“中身”でね」
文王「まあ……では、それぞれの官にふさわしい徳と能力を、しっかり見極めるということなのね」
呂尚(優しく微笑んで)「そう。“名”に見合った“実”をちゃんと備えているか──それを見抜けるかどうかが、君主の目利き力ってワケ」
文王「ふふっ、まるで宝石を選ぶ目のように……」
呂尚(少し照れてそっぽを向きながら)「そゆことっ♡ 賢人ってのは、キラキラじゃなくても、芯があって輝くもんなの」
太史編(ぴょこんと登場)「今回のテーマは、“どうやってホンモノの賢人を見抜くか”だよ! 表面だけで選んじゃうと、すぐダメになっちゃうの!」
それができたら、賢人を挙げるのもバッチリ☆