文王(少し心配そうに)「ねえ、呂尚。領地をしっかりと守るには……いかなる備えが必要なのでしょう?」
呂尚(腕を組んで、きりっとした顔)「フッ、守るってことはね──ただ壁を築くだけじゃダメ。大事なのは“中から崩れないこと”なのよ」
文王「中から……と申されますと?」
呂尚「まずね、身内──宗族を大事にしなきゃ。あと民を粗末に扱うなんて論外。近くの人たちをしっかりフォローして、周りの国にもちゃんと対応する。んで、一番ヤバいのは……国の舵を他人に任せちゃうこと。権限を譲っちゃったら、君主の意味ないじゃん」
文王(深く頷きながら)「まるで“国の心”が外に漏れてしまうようなお話ですわね……」
呂尚「そうそう、あとね、木の枝葉ばっかり見て根っこを見ないとか、深い溝を掘って丘を積もうとするとか──そういうの、全部“本末転倒”ってヤツ」
文王「ふふっ、たしかに無駄が多うございますわ」
呂尚「チャンスが来たら、即行動。刀を持ってるなら迷わず切る、斧を持ってるなら迷わず討つ。それ逃したら、敵に攻め込まれるってもんよ」
文王「機を見て動くことの大切さ……身に染みますわ」
呂尚「ちっちゃな火種とか水漏れも、放っといたら大火事や洪水になるの。芽のうちに摘まなきゃ、あとで木ごと伐らなきゃいけなくなるよ?」
文王「まあ……まるで国政も、日常の手入れと同じですのね」
呂尚「だから君主はまず国を富ませなきゃ。貧しかったら、仁もできない。仁がなければ、親族も離れてくの。宗族をないがしろにしたら被害を受けるし、民を失えば国は潰れる」
文王「恐ろしい連鎖ですわね……」
呂尚「それと、武器を他人に持たせたら、その人にやられるよ? 国の“力”は自分の手に持っとくべき」
文王「たしかに……威光は譲ってはならぬもの」
呂尚「仁義ってのはね、民を大切にして、親族とちゃんと仲良くすること。民を尊べば国が和み、親族と仲良ければ笑顔が増える。これが仁義の根本よ」
文王「わたくしも、民と親しみ、家を大切にいたしますわ」
呂尚(にっこり笑って)「あとはさ、ちゃんと是非を見極めて、道理に従うの。従ってくれる人は徳で導く、逆らう人には──それなりの覚悟をしてもらう。これがホンモノの統治ってもんよ」
文王「うふふ……やっぱり呂尚、頼もしいお方ですわ♪」
呂尚(ウィンクしながら)「ま、文王がそう言ってくれるなら、ギャルとしても本望ってカンジ♡」
文王(扇子を閉じて、静かに問いかける)「呂尚、ねえ……国を治める君主が、どうして失敗してしまうことがあるのかしら?」
呂尚(前髪をふわりと払って)「それはね……“誰を信じて、誰に任せるか”をミスるからよ。ぶっちゃけ、そこが最大の落とし穴ってわけ」
文王「まあ……やはり、人材登用こそが、国を左右するのね」
呂尚(指を立てて)「そのとーりっ☆ だから君主には、“六つの守るべき徳”があるの。『仁・義・忠・信・勇・謀』──これがそろった人材を選ばなきゃダメってこと!」
文王(優しく微笑んで)「その六つの徳、詳しく教えてくださる?」
呂尚「OK、じゃあね── ・“仁”ってのは、優しさと節度。財産を与えても、礼を失わない人。 ・“義”は、尊くてもおごらない心。高い地位を与えても、傲慢にならない人。 ・“忠”は、一度任せたら最後までやり抜く。任務を投げ出さない人。 ・“信”は、裏表ナシ。ごまかさずに誠実に仕事をする人。 ・“勇”は、ピンチでも冷静! 危険な時にも逃げずに立ち向かえる人。 ・“謀”は、どんな事態でも解決策を出せる知恵の持ち主。 ……これが“六守”よ」
文王(頷きながら)「まあ……それぞれ、行動で見極めていくのね」
呂尚「そうそう! 実際に財産を与えてみるとか、地位を与えるとか、わざとピンチにしてみるとか。そうやって“本性”が出るのを見極めるの」
文王「それなら、信頼できる人材だけが残っていくのですわね」
呂尚「それとね……もうひとつ、“三宝”ってのも大事なの。『大農・大工・大商』──この三つの柱が、国の安定を支えるってわけ」
文王「三宝……それはまた、なぜでしょう?」
呂尚「だってさ、農民がしっかり耕せば食糧は足りる。職人がいれば道具や建物も整う。商人がいれば流通も活発。三者がバランスよく動いて、国が成り立つのよ」
文王(しみじみと)「それらを乱しては、民の生活が混乱しますものね」
呂尚「そう。だからその“職業ごとのまとまり”を崩しちゃいけないの。村を勝手に分けたり、家系を崩したり、臣下が君主よりリッチになったり、都市が首都を超えちゃったり──そういうの、全部アウト」
文王「つまり……『六守』を見抜いて、『三宝』を保てば、国も君主も安泰、ということね」
呂尚(にこっと笑って、ちょっとだけギャル語に戻る)「そゆことっ♡ ちゃんと人を見る目がある君主、あと職人さんとか農民さんとか、み〜んなを大事にできる王様が……マジで最強って感じっしょ?」
文王(くすっと笑って)「ふふ……今日もよく学ばせていただきましたわ、呂尚♪」
太史編(ぴょこんと登場)「はいはーい! 今日のテーマは“六守”と“三宝”だよっ!」
国を支える人材が持ってるべき六つの徳のことだよ!
これを「行動で」見抜くのがポイントだよ〜☆
「大農」「大工」「大商」のこと! 国の経済と安定のカギなんだよ。
この三つがしっかりしてると、民は安心して暮らせるの! だから、ちゃんと守ってあげてね!
村や家族をばらばらにしちゃうと、不安になったり混乱したりしちゃうんだよ〜。
あとね、
……とかになると、国のバランスが崩れちゃうから注意!
六守の徳を持った人を見抜いて重用! 三宝の仕組みを大事にして国を支える! それが……「国家安泰の道」なのですっ♡
文王(静かに目を閉じながら)「ああ……天は、我を見放すのでしょうか……周の社稷を、呂尚、貴女に託しますわ……。この命尽きる前に、“至道”──真の道を、我が子孫に伝える術を授けてくださらぬ?」
呂尚(涙を堪えつつ、深く頭を下げ)「……謹んで、お受けいたします。文王、いかなることをお尋ねでございますか?」
文王(微笑を浮かべ)「古の聖王たちは……何をやめ、何を興したのか。その要点を、教えてほしいの」
呂尚(真剣なまなざしで)「恐れながら申し上げます──善を見て怠る、機を得て疑う、過ちを知りて改めぬ……これら三つは、道が止まるところにございます」
文王(静かにうなずき)「……ふむ、それは避けねばならぬ道……」
呂尚「はい。そして、柔らかく静かに、謙虚にして敬い、強くあっても弱くふるまい、忍耐してこそ剛を得る──これら四つが、道の始まるところにございます」
文王「まるで、徳の光ね……」
呂尚「義が欲望に勝てば、国は栄えましょう。欲が義を上回れば、亡国の兆しとなります。敬が怠けに勝てば吉となり、怠けが敬に勝てば、やがて国は滅ぶ……」
文王「……子よ、武王よ。これが“明伝”──明らかにして伝うべき道でございます」
呂尚(ゆっくりと文王の手を取る)「……それこそ、未来に伝えるべき真の道。義と敬と、民への慈しみ……それがあれば、国は滅びぬのです」
(文王、微笑のまま目を閉じる)
呂尚(静かに立ち上がり、太子・武王に振り返って)「……さあ、あんたの番よ。あたしの言葉、ぜーんぶ受け取って、マジで未来の王ってやつ、やってみせなさい♡」
太史編(ぴょこっ!)「“明伝篇”ってね、文王が亡くなる前に呂尚に“本当に大事なこと”を託すシーンなの。国家をどうやって守るか、っていう根本の考え方を、ズバリ“伝える”のが今回のテーマなんだよ!」
呂尚ちゃん、今回はめっちゃ優しいよ……! それだけ“伝える”ってことが大切なんだって伝わってくるね♡
文王(優雅にほほえみながら)「ねえ呂尚、君主と臣下の“礼”というもの……それは一体、いかなるものでしょう?」
呂尚(背筋を正して、深く一礼)「御意にございます、文王。礼の基本は、君は民を遠ざけず、民は君に心を偽らぬこと。君主は情を深く察して、臣下は誠を尽くす──その調和が、すなわち“礼”でございます」
文王(目を伏せて頷きつつ)「まあ……まるで天と地のような関係なのね」
呂尚(淡くほほえんで)「そのとおりにございます。天がめぐみを施し、地がすべてを受け入れるように。君主は遍く恩を施し、臣下はその徳に安んじるのです」
文王「では……君主の務めとは?」
呂尚(静かに言葉を選びながら)「安らぎ、静けさ、そして柔らかな態度をもって政を導くこと。欲を捨て、心を平らかに保ち、物事には正しく対処する──それが、君主たる者の在り方にございます」
文王「では、そのような御方は、どのようにして進言を聞くべきでしょう?」
呂尚「軽々しく許すべからず、また頑なに拒むべからず。受け入れすぎれば御意志が揺らぎ、拒みすぎれば民の声が閉ざされます。君主は、山のように高く、淵のように深く、計り知れぬ存在であるべきにございます」
文王「……まあ、まるで神明のような徳だわ」
呂尚(少し笑って)「そのように澄んで正しくあられることこそ、天子の器にございます」
文王「では、どうすれば天下のことをすべて見渡せましょう?」
呂尚(穏やかに)「目には明らかを、耳には聡きを、心には智慧を──民の目を通して視れば、すべてが見えましょう。民の耳を借りれば、声なき声も聞こえましょう。そして、民の心をもって考えれば、あらゆる事が知られるのでございます」
文王(感嘆して)「なるほど……それが、四方からの意見を集め、正しく政を成すということなのね」
呂尚(微笑を浮かべながら、ほんの少しギャル語に戻る)「っし……! ま、今のあたし、ちょー礼儀正しいモードだけど……そゆのも全部、民のためっしょ? 民の声、ちゃーんと聞ける君主こそ、マジで“神”って感じ♡」
文王(くすっと笑って)「まあ、今日はずいぶんお上品だったのに、最後だけ……ふふ、やっぱり呂尚ね♪」
太史編(くるくる回りながら)「今回はね、“礼”ってお話だったの! 礼っていうのは、ただのお辞儀とかじゃなくて、君と民が信じ合って気持ちを通わせるってことなの。君主がちゃんと民を見て、民もちゃんと心を開く──そういう関係が“国を安定させる根っこ”なんだよ!」
そしてね、全部の情報が君主のもとに集まれば、どんなことでも正しく判断できるようになるの! 礼ってね、思いやりとか尊重の心なんだよ♡
穏やかな午後。文王は呂尚と共に歩きながら、静かに問いを発した。
文王「ねえ、呂尚。わたくし──国を治めるってどういうことなのか、ほんとうに知りたいの。どうすれば主君が敬われ、民が安心して暮らせるのでしょう?」
呂尚(即答で、ツンなしの真顔)「民を、愛すること。それだけ。」
文王「まあ……それだけ?」
呂尚「そう。“民を愛する”って、本気でやれば、君主は自然に尊ばれるし、民も安心するの。ぜんぶ、そこに集約されてるのよ。」
文王「では──その“愛する”というのは、どういうことなのかしら?」
呂尚(息を吸い、真剣な声で)「民にとって“利”を与え、害を与えないこと。民の暮らしを“成し”、決して“壊さない”こと。生かして、殺さない。与えて、奪わない。楽しませて、苦しめない。喜ばせて、怒らせない──それが“愛する”ってことよ。」
文王「まあ……一つ一つが、心に響くわ。けれど、それはどうすれば具体的に実現できるの?」
呂尚「聞きたい? よし、じゃあ教える。」
呂尚(指を折りながら、語り始める)「民が仕事を失わなければ、それは“利”になる。農作業のタイミングを外さなければ、それで“暮らしが成る”。無実の人を罰しなければ、人の命が“守られる”。税や取り立てを軽くすれば、それは“与える”ことになる。宮殿や高台を建てすぎなければ、民は“安らぐ”。役人が清らかで、民を煩わせなければ、民は“喜ぶ”──」
文王「それが“六つの愛”……!」
呂尚「逆に──仕事を奪えば、民は困る。農作を邪魔すれば、暮らしは壊れる。無罪の人を罰せば、命を奪うことになる。税を重くすれば、それは“奪い”になる。建築ラッシュで労役を強いれば、民は苦しむ。官吏が汚職や横暴をすれば、民は怒り出す──」
文王「善政とは、“民の身に何が起きているか”を、一つ一つ想像して、寄り添うことなのね……」
呂尚(しっとりとした声で)「そう。国をちゃんと治めたいなら──民を“自分の子”のように思うの。兄が弟を想うように、王が民を想うべき。民が飢えや寒さに苦しめば、共に悩む。民が働きすぎて疲れたら、一緒に悲しむ。民への褒美や罰も、自分に下されるように考えて、税や取り立ても、自分の財を差し出すように思って──」
文王(静かに目を伏せ、深くうなずく)「それこそが、“真の君主”なのですね……。民を愛する、そのすべての道を──わたくし、決して忘れません。」
ホントだよ〜! でも、「愛する」って言葉にはい〜っぱい具体的なことが含まれてるんだよ!
自分が民だったら、って想像するの! 税を取るなら「自分の財布から取る」くらいの気持ちで。賞罰を下すなら「自分が受ける」と思って決める。飢えたり寒かったり、苦しんでる民を見たら、一緒に泣ける王様──それが、太公が言う「理想の君主」なんだよっ!
太史編(ぱたぱた走ってきて)「今回は“守る”がテーマだよ〜! 守るって、ただのディフェンスじゃなくて、“内側を強くする”ってことなの!」
ね、守るって、ちょ〜奥が深いんだよ♡