文王(優雅にほほえみながら)「ねえ呂尚、君主と臣下の“礼”というもの……それは一体、いかなるものでしょう?」
呂尚(背筋を正して、深く一礼)「御意にございます、文王。礼の基本は、君は民を遠ざけず、民は君に心を偽らぬこと。君主は情を深く察して、臣下は誠を尽くす──その調和が、すなわち“礼”でございます」
文王(目を伏せて頷きつつ)「まあ……まるで天と地のような関係なのね」
呂尚(淡くほほえんで)「そのとおりにございます。天がめぐみを施し、地がすべてを受け入れるように。君主は遍く恩を施し、臣下はその徳に安んじるのです」
文王「では……君主の務めとは?」
呂尚(静かに言葉を選びながら)「安らぎ、静けさ、そして柔らかな態度をもって政を導くこと。欲を捨て、心を平らかに保ち、物事には正しく対処する──それが、君主たる者の在り方にございます」
文王「では、そのような御方は、どのようにして進言を聞くべきでしょう?」
呂尚「軽々しく許すべからず、また頑なに拒むべからず。受け入れすぎれば御意志が揺らぎ、拒みすぎれば民の声が閉ざされます。君主は、山のように高く、淵のように深く、計り知れぬ存在であるべきにございます」
文王「……まあ、まるで神明のような徳だわ」
呂尚(少し笑って)「そのように澄んで正しくあられることこそ、天子の器にございます」
文王「では、どうすれば天下のことをすべて見渡せましょう?」
呂尚(穏やかに)「目には明らかを、耳には聡きを、心には智慧を──民の目を通して視れば、すべてが見えましょう。民の耳を借りれば、声なき声も聞こえましょう。そして、民の心をもって考えれば、あらゆる事が知られるのでございます」
文王(感嘆して)「なるほど……それが、四方からの意見を集め、正しく政を成すということなのね」
呂尚(微笑を浮かべながら、ほんの少しギャル語に戻る)「っし……! ま、今のあたし、ちょー礼儀正しいモードだけど……そゆのも全部、民のためっしょ? 民の声、ちゃーんと聞ける君主こそ、マジで“神”って感じ♡」
文王(くすっと笑って)「まあ、今日はずいぶんお上品だったのに、最後だけ……ふふ、やっぱり呂尚ね♪」
太史編(くるくる回りながら)「今回はね、“礼”ってお話だったの! 礼っていうのは、ただのお辞儀とかじゃなくて、君と民が信じ合って気持ちを通わせるってことなの。君主がちゃんと民を見て、民もちゃんと心を開く──そういう関係が“国を安定させる根っこ”なんだよ!」
そしてね、全部の情報が君主のもとに集まれば、どんなことでも正しく判断できるようになるの! 礼ってね、思いやりとか尊重の心なんだよ♡