春風なお冷たき山風が吹く――岩山の峻嶺に立つ姫発の顔には、不安と決意の入り混じった表情が浮かんでいた。
武王(姫発)「お姉様……この山、なんだか怖いですわ。高くて、木もなくて、しかも四方から敵が来そうで……。こんな場所で、どうやって戦えばよいのかしら……?」
呂尚(太公望)(真剣な表情で)「いい質問ね、姫発ちゃん。こういう場所に軍を置くの、ホント危険なの。山の上にいれば孤立するし、下にいれば包囲される――。だから、ここでは“鳥雲の陣”ってやつを使うのよ!」
武王「と、鳥雲……の陣?」
呂尚(頷きながら)「そ。雲のように柔らかく、鳥のように俊敏に構える布陣って意味。山の陰にも陽にも、左右どちらにも、ぜーんぶ気を配るの。左に陣を張ったら右を警戒、陰にいれば陽を守る――そんな感じにね♡」
武王(一生懸命にメモを取りながら)「……“左にあれば右を備え、陽にあれば陰を備えよ”。ですねっ」
呂尚「うん、それだけじゃないよ。敵が登って来れそうな道には、強い部隊を配置する。それに、谷や大通りみたいな場所には、戦車を並べて通せんぼ♡」
武王(ふと顔をあげて)「つまり、敵が来そうなところ全部に備えておくのですね……!」
呂尚(満足そうに微笑んで)「さすが姫発ちゃん♡ 鳥雲の陣さえ張れれば、こんな山の中でも絶対にやられない。逆に、うまく使えばこっちが勝てるのよ♪」
武王「お姉様……鳥雲の陣、まるで翼を広げたようで……とても優雅で強いですわねっ」
呂尚「ふふっ、姫発ちゃんに似合う陣形よ♡ しっかり覚えて、いざって時に使える王様になろうね」
太史編「やっほ〜! 今回は《鳥雲山兵篇》! テーマはズバリ、山の上でどう戦うかだよっ!」
まとめ