武王(姫発)(怯えた声で)「お姉様……っ! わたくしの軍、いま敵の領土深くへ進んでいたところ……突然、ものすごい大軍が現れて、左右から包囲してきたのです! 敵の戦車も騎兵も、とても猛々しく……わたくしたちの三軍は動揺して、逃げ出す者まで……! 止めることができません……どうしたらよいのでしょう……?」
呂尚(太公望)(静かに目を細めて)「……それは、まさに《敗兵》の兆しね。でも、安心して姫発ちゃん。善く用いる者ならば、そこから《勝ち》を掴める。けれど、策を誤れば――その軍は滅ぶ。この差は、紙一重よ。」
武王(胸に手を当てて)「わたくし……滅びたくありませんっ……っ 民のためにも、この手で“勝ち”を掴みたいです……! どうすれば……!」
呂尚(真剣な表情で)「ならば、聴いて。材士(すぐれた兵士)と強弩(強弓部隊)を集めて、戦車と騎兵で両翼を編成しておくの。そして、彼らには《常に本軍から三里ほどの距離》を保たせて動かす。なぜなら──敵が追撃してきたとき、その車騎部隊で敵の左右をバチッと奇襲するためよ♡ それで敵は混乱し、逃げ出す兵も止まり、戦列も整え直せるの。」
武王(目を見開いて)「まぁ……っ! 敵の包囲に対して、こちらの動揺した軍を立て直す方法が……っ! お姉様、まるで天の知恵でございますわっ!」
武王(さらに眉をひそめて)「ですが、お姉様……もし今度は敵の方が車騎で押し寄せてきたら? 敵は多数、こちらは少数……しかも、敵軍の整列は美しく、士気も高い……。こちらの兵は萎縮し、陣を整えることも出来ません……! そんな時は、いったいどうすれば……?」
呂尚(指先を唇に当てて)「フフ、いい質問ね♡ そんなときは、まず──精鋭の弓兵を左右に伏せて配置するの。そして戦車と騎兵は、かっちりと堅く陣を組ませて待つ。するとね、敵軍がその伏兵の手前を通る瞬間が来るわ。そのとき──」
呂尚(キリッと目を光らせ)「左右の伏兵が、一斉に矢を放つの! さらに、戦車と騎兵が一気に突撃! 前からも後ろからも! 敵が多くても、混乱と動揺が広がれば、その将軍すら逃げ出すしかないわよ♡」
武王(両手を胸に握りしめて)「わたくし、もう震えていたのが嘘のよう……お姉様がいる限り、どんなに強い敵でも、きっと乗り越えられますわっ!」
呂尚(微笑みながら)「ふふっ……あたしも、姫発ちゃんを信じてるから♡」
太史編(ぴょこっ♡)「今回は《敵武篇》! なんと《三節構成》だよ〜! それぞれ違う危機に、ちゃんと対応策があるのっ!」
まとめ