漆黒の夜。月明かりすら雲に隠れ、重たげな空気が城のまわりを包みこむ。
武王(姫発)「お姉様……敵が突然、城下まで攻めてまいりましたの。牛馬は奪われ、民は虜にされ、兵たちは怯えております。守れば足りず、戦えば恐れあり──どうすれば、“固く守り、かつ勝つ”ことができますの?」
呂尚(太公望)(眉をひそめ、腕を組みながら)「それ、まさに“突兵”ってやつね。勢い任せに深く攻めてきて、補給も考えず暴れる敵──こういう奴らはね、一見強そうで、実はガバガバなのよ」
姫発「まぁっ……暴れているようで、じつは隙だらけ……?」
呂尚「うん、まず牛馬にエサがない、兵も食糧なし──それで無理に突っ込んでくる。これ、長くは持たないわ。だから、離れた別軍に命じて、精鋭を選りすぐって後ろから急襲! そして、闇に紛れて挟撃! これが一番効くのよ」
姫発「夜のうちに……背後から……!(小さく手を握って)まるで、闇夜に光る刃のようですわ……♡」
呂尚「ふふっ、さらに──敵が部隊を分けて、こっちを牽制したり、牛馬だけ盗みに来たりしてもね、それって逆にチャンスなのよ」
姫発「えっ……どうしてですの?」
呂尚「戦う部隊と、物資狙いの部隊が分断されてたら、主力がまだ到着してないうちに──こっちは先に備えを固めて待ち構えられる。たとえば、城から四里離れた場所に陣を築く。旗と太鼓で威厳を見せつけつつ、裏では伏兵を配置。強弩兵は上から、門には突撃口──車も馬も、ぜんぶ配置完了!」
姫発「わたくし、そんな布陣、見たことありませんっ……! それなら、敵が迫ってきたときも……!」
呂尚「そう、軽装の部隊で応戦して、“あっやられた〜”って演技して、城まで退くの♡ でも本当は、城にはちゃんと守備と伏兵が準備済み。敵は“やった、城落ちる!”って油断して前のめり──その瞬間に、伏兵がガバッと出て、外からも中からも叩き潰すのよ」
姫発(きらきらした目で)「わたくし、それ……やってみたくなってまいりましたわ……っ!」
呂尚(くすっと笑って)「ふふ、これが“突戰”──勢いに飲まれた敵の盲点を突く、逆襲の美学よ♡」
太史編「やっほ〜! 今日は《突戰篇(とつせんへん)》だよ〜!」
まとめ