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武経七書

40 略地 (v1.0)

六韜「虎韜・略地篇」〜敵を分断し、城を落とし、徳で治める!

六韜「虎韜・略地篇」〜敵を分断し、城を落とし、徳で治める!

登場人物

  • 姫発(武王):無邪気で真面目な幼いお姫様。呂尚を「お姉様」と慕い、勉学熱心。
  • 呂尚(太公望):ツンデレ系知性派ギャル。普段は冷静で理知的、でも姫発には優しい。
  • 太史編:おませなロリ風ナビゲーター。用語の解説担当。

本文

姫発(武王)「ねえねえ、お姉様っ。このあいだ戦に勝って、そのままズンズンと敵の領土に進軍してるんだけど――でも、まだ落としきれてない大きな城があって。しかも、その外には別の敵軍が要所に立て籠もってて、わたくしたちをじーっとにらんでいるの。こんなとき、どうしたらいいのかしら?」

呂尚(太公望)「ふん、敵の分断にうまく対応しないと、こっちがヤバい状況になっちゃうわよ? 城を包囲するときは、まずは車隊と騎兵を遠方に展開して、内と外の連携を断つの。そうすれば城内の食料は底をついて、補給もできなくなる。そうなったら、敵の士気はガタ落ち。城主だっていずれ降伏するしかないってワケ。」

姫発「あらっ、それはお見事ですわ! でもでも――もしも城内の敵と、外にいた別軍が、こっそり結託してたら……? 闇に紛れて突撃してきて、しかも外からもバビューンと襲いかかってきたら、わたくしたち、二方向からボコられちゃうかも!?」

呂尚「ああもう、姫発ったら心配性ねぇ。そういうときは、軍を三つに分けて布陣すればいいのよ。まずは地形をしっかり見て、敵軍と城の配置をガン見。それから、ワザと抜け道を残してあげるの。ほら、敵ってそういうの大好きでしょ? 敵は“ラッキー!逃げ道があるじゃん!”って錯覚して、ワラワラ突撃してくる。でもこっちは全部計算済み。退路だと思ってたその道は、精鋭の騎兵が待ち伏せしてるお・も・て・な・し♡」

姫発「わあ〜っ!まさに“入口でニッコリ、出口でズドン”な感じですのねっ!」

呂尚「さらに、突撃してくるのは基本、敵のエース級ばかり。その間に、城内に残ってるのは老人や負傷兵ばっかりになるのよ。そこに我が軍の第三軍を一気に投入して、スパーンと蹴散らすの。」

姫発「すごい……!それって、敵の逃げ道をわざと作ってあげて、その“善意”を逆手に取るってことですのね? まるで心理戦ですわ!」

呂尚「ふふっ、戦場ってのは“やさしさ”すら武器になるのよ? でもね、肝心なのは――勝っても調子に乗らないこと! 城を落とした後は、民の家を燃やしちゃダメ。お墓の木も切っちゃダメ。降伏した者は、けっして殺しちゃダメ。“お前らの主君がバカだっただけ。お前らには罪はない”――って、ちゃんと知らせてあげるの。」

姫発「あぁ……それなら、敵の民たちも安心して、わたくしたちに心を許してくれますわねっ。」

呂尚「そうよ。そうやって武力だけじゃなくて、徳でも服させるの。真に天下を取るってのは、そういうことなのよ。……わかった?」

姫発「うふふ、お姉様……♡ お話を聞いていると、ますます心が引き締まってきますの。これこそ――天下を治める者の覚悟、でございますわねっ!」

太史編・解説コラム「略地篇の要点」

  • 三分軍法と地形分析:敵が分散している状況では、地形を最大限に活用し、軍を三分して守りと追撃を両立することが重要。
  • 誘導と包囲の計略:ワザと「抜け道」を見せて敵を誘導し、待ち伏せで打ち取る。これは韓非子などにも見られる兵法的心理誘導の典型。
  • 徳治主義と兵家の倫理:本篇の白眉はラストの「仁義によって敵民を服す」部分。単なる軍事技術でなく、勝利後の政治的収拾・支配の理念まで含むのが六韜の深み。
  • 姫発の理解力の成長:本篇では姫発が単なる質問者を超え、「心理戦」「徳治」までしっかりと理解し始めている。第四巻終盤に向けた彼女の精神的成長の演出。
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