舞台はある日の早朝、王宮の戦術演習場。澄んだ空気の中、姫発が兵法書をぎゅっと抱えて、呂尚のもとに駆け寄ってきた。
武王(姫発)(息を弾ませながら)「呂尚お姉様っ! もし、敵にぐるっと包囲されて、前も後ろも断たれて、おまけに食糧の道まで絶たれちゃったら……わたくし、どうすればよいのでしょう!?」
呂尚(太公望)(きらりと瞳を光らせて)「――それが“困兵”ってやつよ、姫発ちゃん。四方を囲まれて、物資も絶たれて……普通なら詰み。でも、だからこそチャンスもあるのよ」
武王「チャンスですの!? この世の終わりみたいな状況なのに……?」
呂尚(鋭くも優しい笑みを浮かべて)「うん。こういう時って、“暴(はげ)しく動く者は勝つ。ぐずぐずしてると負ける”って決まってるの。まさに“疾戦”――スピード勝負ってわけ!」
武王(目をキラキラ)「わ、わたくし、もうドキドキしてきましたわっ!」
呂尚「だから部隊は“四武衝陣”に再編成よ。四方向全部に目を光らせつつ、戦車と騎兵をババーッと突撃させて、敵を混乱させるの! ビビった敵の隙を突いて、ズバッと突き抜けるのがポイント♡」
武王「“四武衝陣”……あぁ、なんだか名前からしてカッコよすぎますわっ! お姉様、突き抜けたあとも、追撃できたりするのでして?」
呂尚(にやり)「するする。脱出しても、勝機は続くわよ。左軍は左から疾(はや)く攻め、右軍は右から攻める。道なんて敵と奪い合わないでスルーして、中央軍は“前へ後ろへ”入れ替わり立ち替わり、敵をぐるぐる撹乱するの。――敵将? 逃げ出すか、袋のネズミね♡」
武王(拳を握って)「や、やはりお姉様はすごすぎますわ……っ! わたくしも、疾きこと風のごとく、民を守れる王になりますわ!」
呂尚(頬を緩めて、姫発の髪をそっと撫でる)「ふふっ、そうよ。疾戦って、ただのスピード勝負じゃなくて、敵の動揺を見抜いて、瞬時に突く“知略の技”なの。……姫発ちゃんも、だんだん将軍っぽくなってきたじゃん♡」
太史編「テーマ:疾戦(しつせん)ってなぁに?」
まとめ
疾きこと、風のごとく! 困兵になったら迷わず突撃! 布陣とスピードの妙で脱出&勝利! 戦とは一瞬の機を見極める“知恵と覚悟”の勝負ですわ!