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武経七書

28 五音 (v1.0)

六韜「五音篇」〜音に秘められた、五つのゆらぎ

六韜「五音篇」〜音に秘められた、五つのゆらぎ

登場人物

  • 呂尚(太公望):知略の天才でありながら、兵法においては一切の妥協を許さぬクールビューティーな軍師ギャル。姫発のことを「親友の妹」のように思っており、厳しくもやさしく教える。
  • 武王(姫発):小柄で無邪気なお嬢様。知識欲旺盛で、呂尚のことを「お姉様」と敬愛してやまない。五音の謎に目を輝かせる。
  • 太史編:毎度おなじみ、ちょっとロリな司書系ナビゲーター。天文・暦法・音律・兵学を解説する超人の化身。

第一幕:五音の秘密

武王(姫発)「お姉様ぁ、今日は音楽のお話なんて……まるで雅楽の授業のようですわねっ」

呂尚「ふふ、たしかに“律章”というと、王宮の音楽に思えるかもしれないけれど──兵法における“五音”は、それとは違う側面を持っているの」

武王(首をかしげて)「ちがう……のですか?」

呂尚「そう。“五音”とはすなわち──宮・商・角・徴・羽。これは天地自然の“気のゆらぎ”を五つに分けたもの。そしてこのゆらぎは、戦場にもはっきりと現れるのよ」

武王「まぁ……音のゆらぎが、戦の行方を……?」

呂尚(頷いて)「その通り。宮は静寂、商は鉄の響き、角は鼓のうなり、徴は火のきらめき、羽は人の声。これらが、五行(金・木・水・火・土)と響き合って、戦の“兆し”を告げてくれるの」

第二幕:耳をすませば、勝敗の気配

呂尚「たとえば──晴れた夜半、雲も風もない静けさの中で、軽騎兵を敵陣の九百歩手前まで遣わせるの。そして“律管”を構え、敵に向かって気を送るのよ」

武王(きらきらした目で)「律管って……ほら貝のようなものでしょうか?」

呂尚「もっと繊細よ。音を“聴く”ための管。そこに微かに返ってくる音によって、敵陣の気配がわかるの」

武王「音が返ってくるなんて……」

呂尚「そう。もし鼓のような振動が響けば“角”──つまり、西から攻めるべきと知れる。“火の揺らめき”が返れば“徴”──北からが良い。“兵器のぶつかる音”なら“商”──南から。“人の怒声”が羽、中央から。そして音なき静寂、これが“宮”──東こそ勝機」

五音と方位の対応

  • 宮(静寂):東、勝機の方向
  • 商(兵器のぶつかる音):南
  • 角(鼓の振動):西
  • 徴(火の揺らめき):北
  • 羽(人の怒声):中央

武王(思わず胸に手を当て)「まるで……五音と五行が導いてくださるようですわ」

呂尚「その通りよ。そして、それぞれの音色が示す方向には、青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳──五神の加護がある」

第三幕:音と気配と、兵の心

武王「でも……そんな繊細な音、敵に気づかれてしまいませんの?」

呂尚(微笑んで)「だからこそ、音が大切なの。静寂の中の一音、鼓、火光、武器の響き、叫声……それらすべてが“気”を映す鏡になる。耳を澄ませば、戦場は語りかけてくるのよ」

武王(うっとりと)「お姉様……まるで音楽のような兵法ですわね……♡」

呂尚「ふふ、それは姫発ちゃんが心を澄ませてるから感じられるのよ。音は心に応えてくれる。軍の気配、士気の高さ、将の冷静さ──すべて音に出るの」

太史編の解説コラム:五音ってなあに?

太史編(ちょこんと登場)「やっほ~! 今回はちょっと音楽っぽい兵法、“五音”のお話をまとめるよ♪」

  • 五音とは?:宮・商・角・徴・羽の五つの基本音階。これが五行(金木水火土)や方位(東西南北中央)と結びついてるよ!
  • 何に使うの?:敵陣の“気配”を音で探る! 音の返り方で攻めるべき方位が分かるの!
  • どうして必要?:敵の状況は見えない……でも“聞こえる”! だから夜間でも正確な判断ができるんだよ!
  • 応用編?:火光が見えたら徴、鼓の音は角、武器音は商、人声は羽、静寂なら宮──覚えておこうね!

あとがき(兎より)

この「五音篇」では、兵法における「音」の繊細な扱いを、まるで楽譜を読むように描きました。

呂尚は耳と心で聴く将。

姫発は無垢で澄んだ感性を持つ聴き手。

そして読者もまた、「音」を通じて戦の空気を感じていただけるよう工夫いたしました。

もしこの雰囲気をお気に召していただけましたら、次の篇もこのトーンで続けてまいりますわね✨

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