武王(首をかしげて)「あの、お姉様……陰符って、前に教えてくださった“秘密の通信”ですよね? でも……まだ少し、難しくって……」
呂尚(優しく微笑んで)「ふふっ、陰符だけじゃ終わりじゃないのよ、姫発ちゃん。続きがあって、それが《陰書》っていうの」
武王(目を輝かせて)「まぁっ……陰符と、陰書……! 両方そろって、はじめて完全なのですねっ」
呂尚(頷きながら)「そう。陰符は“符”=印。そして陰書は“書”=文。つまりね、機密伝達は“物”と“文字”の両輪で成り立ってるってこと」
武王(小声でメモを取りながら)「ふむふむ……“符”と“書”の両方で、暗号を完全にするのですね……!」
呂尚(真面目に)「陰書は、敵にも味方にも読まれないように書く手紙のことよ。見られても分からない、でも合言葉を知ってる人だけはちゃんと読める。まさに“陰の書”ね」
武王「ふぇぇ……なんだか、とってもスパイみたいでドキドキしますわっ!」
呂尚(くすりと笑って)「ふふっ、でもね、ただスパイごっこじゃ済まないのよ。たった一文字の陰書が、十万の軍を動かすこともある。だから筆の一撇が、生死を分けるってわけ」
武王(息をのんで)「お、お姉様……そんなに重たいものだったのですね……」
呂尚「うん。だから“陰書を扱う者は、口を閉ざし、心を鎖す”って言われてる。読むのも命がけ、渡すのも命がけ。──だけど、本当に信頼してる人にだけは、託せるの」
武王(そっと手を胸に当て)「……わたくし、そんなお手紙……お姉様から受け取れるような人間になれるでしょうか……?」
呂尚(微笑みながら、そっと頭を撫でて)「もう、なってるじゃない。だって、あたし──今ここで、姫発ちゃんに陰書の秘密、ぜんぶ教えてるんだから」
武王(ぱぁっと笑顔になって)「あ……ありがとうございますっ、お姉様っ! わたくし、絶対に誰にも言いませんっ!」
呂尚「ふふ……それでこそ、わたしの王様よ♡」
武王「陰書って、とても怖いけど……とても尊いものなのですね……。お姉様から学んだこと、ぜったいに胸にしまっておきますっ」
呂尚「ふふっ、それでこそ立派な王の器よ、姫発ちゃん♡」
太史編(ぴょこっと登場)「今回は“陰書篇”! さっそくポイントまとめてくね!」
Too史編(きゅっと手を結んで)「というわけで、陰書は“命がけの手紙”。でも、信頼できる人となら、心の奥で通じ合える──そんな絆の証なのかも、だね♡」