ああ、陛下、わたくし韓非姫は、韓の国のお姫様として、再びこの御前に参上いたしますわ。君主の道について、心を込めてお伝えしますのよ。陛下のような賢明なお方なら、きっとわたくしの言葉を優しく受け止めてくださるはずですわね。どうか、わたくしの小さな教えを、温かいお心でお聞きくださいませ。
陛下、道とはすべてのものの始まり、善悪を決める基準ですわ。戦国の乱世では、道を理解しないと国は滅びますのよ。賢い君主は道の根本をつかみ、万物の本質を見抜き、成敗の理由を明らかにしますわ。わたくし、申し上げますわ。道を握れば、国の行く末が見えますわよ! 陛下、どうか道を心に留めてくださいませ! ああ、わたくし、陛下の御業が道に沿いますように、心から願っていますわ…。
明君は心を空っぽにして、静かに待ちますわ。物事は勝手に名前を付け、形を作りますのよ。心を虚にすれば、真実が見えますわ。静かであれば、動きの正しさがわかりますのよ。臣下が意見を言えば、それが彼らの主張となり、仕事の成果が彼らの形となりますわ。陛下はそれを照らし合わせて、真相をつかむんですのよ。わたくし、申し上げますわ。陛下は好みや考えを絶対に見せてはいけませんわ! 好みを明かせば、臣下はそれを飾って媚び、考えを見せれば、偽りの意見を並べますわ。心を隠せば、臣下の真実が見えますわよ! 陛下、どうか虚静でいらしてくださいませ! わたくし、そんな陛下の姿を思うと、心が穏やかになりますわ。
賢い君主は、知恵や勇気をひけらかしませんわ。頭が良くても考えすぎず、万物が自然に正しい位置に収まるようにしますのよ。賢くても行動で示さず、臣下が何を頼りに動くか見見極めますわ。勇気があっても怒らず、臣下が全力で戦うよう仕向けますのよ。こうして、知恵を隠して明察を保ち、賢さを抑えて功績を上げ、勇気を封じて強さを保ちますわ。陛下、臣下を活かせば、国は強くなりますわ! 無為の力が、天下を動かしますわよ! ああ、わたくし、陛下の無為の統治を想像して、わくわくしますわ。
臣下に職務を守らせ、百官に法を徹底させ、才能に応じて使いますわ。これが常の道ですわ。わたくし、申し上げますわ。明君はまるでそこにいないかのように静かに振る舞い、臣下は陛下の心がどこにあるかわかりませんわ。明君は上から無為に治め、臣下は下で恐れおののきますわ。陛下、こんな姿が理想の君主ですわよ! 見えず、知られず、なのに国は動くんですのよ! わたくし、そんな神秘的な陛下を、心から尊敬しますわ。
道は見えないところにあり、使い方は知られないところにありますわ。虚静でいれば、暗闇でも臣下の過ちが見えますわ。見ても見ず、聞いても聞かず、知っても知らぬふりをしますわ。臣下の言葉を聞き、変えずに検証しますのよ。各官職に一人を置き、互いに相談させませんわ。そうすれば、万物の真相が明らかになりますわ。陛下、心を隠して臣下を監視なさってくださいませ。過ちを見抜くのが、君主の道ですわよ! ああ、わたくし、陛下の鋭いお目が、国を守るのを信じていますわ。
陛下、君主は動きを隠し、考えを封じますわ。臣下が陛下の心を推測できないようにしますのよ。権力の柄を固く握り、臣下の野心を断ち、企みを砕きますわ。門を固く閉ざさなければ、虎のような奸臣が飛び込んできますわ。用心を怠り、意図を漏らせば、賊が生まれますわよ。君主を殺し、位を奪う者を「虎」と呼び、そばで過ちを探り、隙を突く者を「賊」と呼びますわ。戦国の世は、こんな虎や賊がうようよしてますのよ! 陛下、用心に用心を重ねてくださいませ! わたくし、そんな恐ろしい者を思うと、震えてしまいますわ…。
臣下の仲間を解散し、残党を片付け、門を閉ざし、側近を排除しますわ。そうすれば、国に虎はいませんわ。君主の道は大きく、深く、測り知れません。法を厳しく守り、勝手な行動は許しませんわ。そうすれば、賊も生まれませんわよ。わたくし、申し上げますわ。君主を惑わす五つの障壁がありますわ。臣下が陛下を閉ざす、財を握る、命令を勝手に下す、恩を私物化する、仲間を増やす。これらは全部、君主を惑わしますわ! 陛下、これらを独占し、臣下に渡してはいけませんわ! ああ、わたくし、陛下の権力が守られますように、心から祈っていますわ。
君主の道は、静かに退くことが宝ですわ。事を自分でせず、巧拙を見抜き、考えすぎず、福禍を判断しますわ。口数を減らし、臣下に応じさせ、約束を強制せず、臣下を動かしますのよ。臣下が意見を述べたら、それを証拠にし、仕事の成果を基準にしますわ。成果が意見と合えば賞を与え、合わなければ罰しますわ。明君の賞は、春の雨のように民を潤し、罰は雷のように恐ろしいんですのよ。むやみに賞を与えず、罰を許しませんわ。どんなに遠い者も功があれば賞し、どんなに近い者も罪があれば罰しますわ。そうすれば、遠い者は怠らず、近い者は傲慢になりませんわ。陛下、これが明君の統治ですわよ! わたくし、そんな公正な陛下を、心から愛しておりますわ…。