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武経七書

01 文师 (v1.0)

六韜「文師篇」第二稿 〜ツンギャル、天下を釣る〜

六韜「文師篇」〜ツンギャル、天下を釣る〜

登場人物

  • 文王(姬昌) 優雅で気品あふれるお姉様。マリーアントワネット風のお嬢様口調で話すが、思慮深く賢明な王。
  • 呂尚(太公望) ツンデレなギャル。兵法に誰も関心を持たず、孤高の知略を抱えるが、理解されると饒舌&照れデレが爆発。
  • 太史編 解説担当の年下ロリキャラ。おませな語りで六韜の知恵を読者にやさしく案内する。

本文

ある春の日。文王がふと口にした。

文王 「渭水の北で狩りをしようと思うの──なんだか、良い予感がいたしますのよ。」

すると太史編が星を読み、静かに頷いた。

太史編 「はいっ! 渭水の北なら、すっごくいい兆しです! 龍でも虎でもない、王さまを助ける“とんでもない人”に出会えちゃいますっ!」

文王 「まぁ……とんでもない方、ですって?」

太史編 「天がお遣わしになる、師となるお方です! 姫昌さまを支えて、なんと三代の王にまで福を及ぼすんですの!」

文王 「本当にそこまでの御縁が?」

太史編 「はい、私の祖先──太史疇さまも、夏王・禹に仕えた時、同じ星の兆しを見たと記されています!」

そうして文王は、身を清め、三日間斎戒した後、狩りのための車に乗り、馬を駆って渭水の北岸へと赴いた。そこで出会ったのは──茅の生い茂る岸辺に座り、静かに釣り糸を垂らす、ひとりの女。

文王 (微笑しながら)「まあ、なんと風流な……そなた、釣りを楽しんでいらっしゃるの?」

呂尚 (そっぽを向きつつ、ツンとした口調で)「べっ、べつに楽しんでるとかじゃないし。……あたし、そういう“娯楽目的”でやってるわけじゃないんだけど?」

文王 「まぁ、では何かの比喩でして?」

呂尚 「……君子ってさ、志を遂げることに喜びを見い出すんだって聞いたことある? 小市民は好きなことをして満足するらしいけど。それと似てる感じ? あたしの釣りって。」

文王 「似ている……ですの?」

呂尚 「釣りってさ、実は“人の心を釣る”のと同じなのよ。釣りには三つの術があるの──“餌”で釣るって意味では、報酬(禄)で人を引き寄せる、命をかけて戦う者を金で招く、官職で忠義を呼び出す、全部“釣り”と同じ理屈。」

文王 「まぁ、それは……まるで人の運命を見透かすようなお言葉ですわ。」

呂尚 (気まずそうに、でも饒舌に)「だってさ、釣りって“結果を求める”行為でしょ? その過程には深い理があるの。聞きたい?」

文王 「ええ、ぜひ。わたくし、その“深い理”を心から望んでおりますのよ。」

呂尚 「じゃ、言っちゃうけど……水源が深ければ、水は途切れずに流れる。流れがあれば、魚は生きる。木の根が深ければ、枝葉が茂って実をつける──これ、自然の“情”ね。人も同じ。心が通じれば親しくなって、そこから一緒に物事が生まれる。言葉って、本心を飾る手段だけど──“真情”を伝えたときが、物事の最高潮なんだよ。」

文王 「真情、ですのね。」

呂尚 「そう。いまのあたしの話──本気のやつ、隠してない。……引いた?」

文王 「ふふ、いいえ。仁ある者はまっすぐな言葉をこそ好むもの。むしろ、そなたのその率直さに──惹かれておりますわ。」

呂尚 (ちょっとだけ目を逸らしながら)「……そ、そっか。じゃ、続けるけどさ──細い釣り糸に目立つ餌をつければ小魚がくる。中くらいの糸に香る餌で、中魚がくる。太い糸に豪華な餌をつければ、大魚が釣れるの。つまりね、餌で魚を釣れるなら、魚は殺せる。禄で人を釣れるなら、人は働いてくれる。家庭を基に国を得られるなら、国を手に入れられるし、国を基に天下を取れたら──天下も平定できるのよ。」

文王 「なんて……なんて深い知恵でしょう。続けてちょうだいな。」

呂尚 「土地が広くて、長く続いた国でも、人心がバラバラになれば滅ぶ。静かに準備して、内に徳があれば、その光は遠くへ届く──聖人の徳ってのはね、静かに、でも確実に人の心を引きつける。表に出ない魅力が、人を動かすんだよ。」

文王 「まるで、そなたのように……」

呂尚 (小声で)「そ、そーいうこと言わないで……恥ずい。」

文王 「では、教えていただけますか? “仁・徳・義・道”とは──」

呂尚 (ちょっとデレながら)「仁はね、利益を独占しないでみんなに分けること。そうすれば、天下の人が“この人についていこう”って思う。徳は、人を死から救って、困ってる人を助けて、病や苦難から救い出す力。義は、喜びも怒りも一緒に分かち合える仲間を作る力。道は……天下を良くして、みんなを幸せにする王道ってやつ!」

文王 (静かにうなずき、目を閉じる)「まことに……まことに見事なお考えですわ。わたくし、そなたに師になっていただきたい。一緒に、天下を導く旅に出てはくれませんか?」

呂尚 (照れて視線を外しつつ)「んもー……またそうやって……でもまぁ、あたしがついててあげないと、天下なんて無理だし? いいよ、乗ってあげる。その旅──一緒にね!」

太史編の解説コラム

「釣有三権」ってなに?

人を動かすには「お金・名誉・覚悟」の三つが大事って意味! まるで釣り竿と餌を使い分けるみたいに、ちゃんと相手を見て使うのがポイントなのっ!

「情」ってどんな意味?

ここでの「情」は“本質”や“自然の理”のこと。人の気持ちとか、道理にかなった本心のことなんだよ!

「真情」って大事なの?

めっちゃ大事! ごまかさない気持ち、まっすぐな言葉、それが人の心を動かすの。表面だけじゃダメなんだよ!

「細い糸と餌」って何の比喩?

報酬のレベルと人材の質の関係だよ。小さな報酬で小さな働き手、大きな報酬で有能な人を引きつける──ってこと!

「天下」って誰のもの?

王さまのものじゃなくて、みんなのもの! 利益をみんなで分ければ天下はまとまるけど、独り占めすると崩れちゃう!

「仁・徳・義・道」ってなに?

  • シェア精神!
  • 助けてくれる力!
  • 一緒に笑って泣ける心!
  • みんなの未来を良くする王道!

「聖人の徳」ってなんで静か?

本当にすごい人は、黙っててもみんながついてくるの。静かで優しい光みたいなものなんだよ〜!

「読んで萌えて、学んで深まる」、知と心の旅へようこそ!

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